モデルプラン17

市民の高齢化:広域連合おいて成功した社会システムと高齢者介護プロジェクトおよびその施設

© Yvonne Megens
Retirement home with nursery school

   ライン=ネッカー広域連合はヨーロッパで重要な経済地域であり、学問、文化、社会の分野においても指導的立場にあります。

 

   ドイツでは人口統計の推移から、社会的テーマがより大きな意味を持つようになりました。EUで最も高齢化が進んでいるのがドイツです。人口の20%以上が65歳以上で、高齢者はさらに増える傾向にあります。2015年には就労者の3人に一人が50歳以上になる見通しです。単身世帯が増え、3世代が共に暮らす以前のような大家族は減少しています。高齢化はさらに大きな問題に結びつきます。ほとんどの高齢者が孤独な一人暮らしか老人ホーム入居の選択を迫られます。ほかの多くの先進国と同様に、ドイツでもこの深刻な状況への対策ができていないのが現状です。

   それゆえヨーロッパ・ライン=ネッカー広域連合では、特に都市部において多世代融合住宅を可能にする数多くのモデルプロジェクトがスタートしました。社会福祉法人によるものや、入居希望者がイニチアチブをとるコーポラティブハウスなどがあります。このようなプロジェクトは住宅、労働、買い物、娯楽、文化を結びつけ、高齢者には可能な限り自分たちで決定のできる生活を保障します。これは近代的都市開発と地域開発に欠かせない重要な要素です。

   リフォーム済みの建物や新築物件でも、多世代が共に住むことを前提としたバリアフリーで手頃な価格の住居が出てきています。単身、夫婦、家族、子供、若者、高齢者、障害者が一緒に暮らす居住形態が生まれました。こういった住居では高齢者と若者の間で理想的なコミュニケーションがあります。互いの経験や知識から学び、協力し合い、共通の体験ができます。しかしこれは強制ではありません。居住者はこのような住宅コンセプトを利用するかどうかを自由に決めることができます。

   モデルプロジェクトでは現在のところ良い結果が出ています。高齢者は若者から、若者は高齢者から得るものがあります。高齢者の孤独感を取り除くことで彼らの生活は再び満たされ、生きがいを持つようになります。

   国はこのような居住形態向けに、市民に有利な基本的枠組み作りをしなければなりません。最終的には積極的な市民と投資家の主導によって、こういったプロジェクトが発案され実行されるべきです。

視察:
多世代融合住宅の視察とプレゼンテーション。